慰霊祭御参加者 各位
平成30年6月吉日
拝啓
雨に濡れた紫陽花が凛として美しい季節になりました。皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
先般、第68回関西白鷗遺族会慰霊祭におきましては、お忙しい中、たくさんの方々にご参加賜わりました。
そして、今回のご参加のかなわなかった方々からも、近況を知らせる心温まる多くのメッセージを頂きました。 慰霊祭当日は、雨もすっかり上がり、今年も晴天に恵まれました。
午前10時30分、海軍飛行科予備学生士官直系の後裔に当たる海上自衛隊第23航空隊の方々のラッパと号令によります軍艦旗掲揚で、慰霊祭は始まりました。73年の年月を経ても尚、海上自衛隊第23航空隊に軍換旗の掲揚と降納を行って頂けたことは、英霊にとりまして何よりの顕彰であると、こころより感謝申し上げます。
関西白鷗遺族会は大東亜戦争で散華した海軍飛行予備学生・生徒出身戦没者の慰霊とご遺族の援護・慰問のために、生き残った同期生たちが昭和26年に結成した団体です。北海道から沖縄まで13支部が活発な慰霊活動が行われてきました。
しかしながら、現在では、関西白鷗遺族会のみが活動しております。このような世相の中、日本人として先達の遺訓を顕彰し、心からの慰霊を行おうと多くの団体関係者や心ある一般の方々に参集していただきました。
この皆様のお気持ちを、散華された英霊、その英霊のご両親、そして、命ある限り慰霊活動に身を捧げて来られました同期生存者の魂が、とても喜んでおられると思います。
このように魂と志で結ばれた同士の方々と慰霊祭を通して関われることは、何物にも代えがたい喜びです。これからも、慰霊祭当日はもちろんのこと、一年を通して準備を進めていく中で、他の団体の活動に参加させてもらいながら、英霊の慰霊と顕彰に努めて参ります。
あの戦いの日々、「では一足お先に」と飛び立っていくものと、「では直ぐにあとから」と、次の順番を待って見送るものとの、さりげない別れに明け暮れました。これは73年前、実際に起こった事なのです。忘れてはいけないと思います。
敬具
関西白鷗遺族会 会長 山田正克